■保健師や栄養士、保育士などの専門職もフォローアップ
サロンは、主に乳幼児が対象となっています。地域に根差しているため、お母さん方も行きやすいというお話をよく耳にします。出産後、サロンが最初に子どもを連れて外に出る場所というお母さんも多く、お父さんが参加されていることもあります。
サロンの内容は会場によって様々ですが、初めに区役所の保健師や栄養士、歯科衛生士による感染症や離乳食、歯の健康の話、地域の保育園の保育士によるふれあい遊びなどを行い、その後、フリートークという形で親御さん同士がグループになって、おしゃべりをするという会場が多いです。
サロンに来る保健師は、お子さんの健康全体の話をされるのですが、スタッフが話のテーマを設けてお願いするパターンと、サロンへの参加申込みの際に、お母さんたちから相談を受け付けて、それを保健師さんに伝えて、フィードバックしてもらうパターンがあります。
親子でゆったりくつろぐ
保健師や栄養士などの参加は、講話をする時だけ来る会場もあれば、毎回来る会場もあります。また、すぐ相談ができるように、参加者のお母さん方の会話の中に入ることも多いです。
季節の行事として、クリスマスに地域の方がサンタクロースになったり、七夕に笹の葉を出したりしています。ひな祭りでは、ひな壇を家では飾れないというご家庭もあるので、ひな壇を飾って記念撮影をしたり、みんなで歌を歌ったりしています。
サロンによっては予約制が必要な会場と予約が必要ではない会場があり、およそ半々です。参加方法についての詳細は区役所ホームページをご覧ください。
■コロナ禍だからこそ子育てサロンを必要とする人に
コロナ禍では、人と接触する機会がとても減ってしまい、大勢で一緒に食事をとることができなくなるなど、子育ての最初の段階で、人との交流が持てないお母さん方が多く、参加者からは次のような声があがっていました。
「縁もゆかりもない土地での子育てに加えてコロナ禍。実質ひとりでの子育てに不安いっぱいでしたが、子育てサロンこすぎへの参加をきっかけに輪が広がり、当初は想像し得なかった地域とのつながりを実感しています。いつにも増して周囲とのつながりが希薄になりうる状況下での開催はとてもありがたいものでした。」(20周年記念誌『子育てはみんなの“ちから”で』より)
大戸地区ではコロナ禍でサロンの開催が中止になってしまったため、オンラインでのサロンを始めました。オンラインでつながれば、お店で会った時や公園で会ったときに声をかけやすいから、と参加された方からも好評でした。
もちろん、どの地区もオンラインでサロンを開催できたというわけではなく、いったん中止になった会場もありますが、少人数でもやろうという形で、丸子地区を皮切りに、対面でのサロンが次々に再開されていきました。
なかなかコロナウィルスの感染が収まらず、自分も不安、家族も不安といった状況下で、サロンを廃止するという選択肢もありましたが、スタッフの皆さんの想いが強く、現在もサロンを続けています。
絵本の読み聞かせも
■「子育てふれあい広場」はボランティアが地域の特色を生かして運営
サロンの主催は「子育て支援推進実行委員会」で、中原区社会福祉協議会・民生委員児童委員協議会・中原区役所で構成されており、地域のボランティアの方にお手伝いいただいているサロンもあります。
スタッフはシニア世代の方が中心ですが、最近はお仕事をされながらでも携わることができるように業務内容も変化していて、実際、幼稚園に通うお子さんを育てながらスタッフをされている方もいます。
一方、子育てふれあい広場は、サロンとの違いとして、地域でもともと子育て支援を自主的になさっていた方々が主催しており、その運営についてはお任せをしています。
やはり、どうしても既存のサロンではカバーしきれない地域があり、その地域での自主的な子育てサークルを発掘したり、団体になりそうな方々に「一緒にやりませんか」といった形で区役所からお声がけして始めることが多いです。
内容については、サロンでは珍しい屋外で開催するところもあり、それぞれに特徴があります。また、依頼があれば、区役所から保健師や栄養士などを派遣しています。地域でベビーヨガやリトミックなどの講師をなさっている方を招くなど、新しい取組をしているところもあり、地域色豊かです。
皆さん、ぜひ子育てサロン・子育てふれあい広場を利用してみてください!
子育てサロン・子育てふれあい広場(概要、住所、地図)
https://www.city.kawasaki.jp/nakahara/page/0000054593.html