■認可保育園と認可外保育園の違い
認可保育園とは、厚生労働省の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」を満たした施設です。逆に認可を受けていない保育園は「認可外保育園」と呼ばれます。
ただ「認可外」だからといって市区町村に何の届け出をせずに運営しているわけではなく「認可外保育施設に対する指導監督要綱」に定める基準を満たす必要があります。簡単に違いをまとめてみました。
設置基準は、どちらも厚生労働省が定めるものですが、認可保育園に対する基準の方がより細くなっています。
■認可外保育園の方が危険って聞くけど実際どうなの?
上の表にも記載していますが、認可保育園と認可外保育園ともに原則1年に1回は行政の立ち入り検査が実施されています。この検査により運営だけでなく環境や書類など細かに確認されていて、必要に応じて指導や是正勧告が行われていますので、認可外だからといって杜撰なまま放置している訳ではありません。
では実際の事故件数はどうでしょうか?
厚生労働省やこども家庭庁が「教育・保育施設等における事故報告集計」をまとめています。
厚生労働省(平成26年度まで)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072858.html
こども家庭庁(平成27年度から)
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/effort/shukei
報告施設数から死亡数の割合を見ると認可外の方が高いことが分かります。
また認可だからといって死亡数がゼロではないことも分かりますね。
なぜ認可外保育園の方が多いのでしょうか。これは所感ですが、大きく2つあると思います。
1つは上の表にあるように施設の面積基準が少し緩く設定されている所です。満1歳未満の乳児の保育室は1歳以上の幼児の保育室と別室が望ましいとされているだけで、ベビーフェンスなどで区画すれば問題ないとされています。
もう1つは「全職員が保育士資格を有していない」点です。職員の配置基準が認可と認可外ともに同じですが、全職員の1/3以上が保育士資格を有していればいいので、資格を持っていない人が保育をすることが普通にあるためです。
もちろん資格を持っていないからといって100%危ないと断言できませんが、保護者の方からみると不安ですよね。
■保育園見学には必ず行きましょう!
認可外保育園を否定している訳ではありません。上記の統計から分かるように認可保育園と認可外保育園ともに死亡事故は年々確実に減っていることが分かります。大事な命を預かるお仕事ですので、認可・認可外ともに事故を起こさないように配慮しなから運営していると言えると思います
認可だからといって保育園を決めるのではなく、実際に見学することが望ましいのではないでしょうか。単に見学するのではなく、ある程度予備知識を蓄えて色々な質問を投げかけ納得した上で入園を決めることが大切だと思います。