インフルエンザを防ぐための日常の対策
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によって起こる急性の上気道炎です。鼻水やせき、のどの痛みなどの風邪に似た症状に加えて、38〜39℃を超える高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、強い倦怠感など、全身症状が強く現れるのが特徴です。一般的なかぜと比べて症状が重く、回復までに時間がかかることもあります。
潜伏期間は1〜3日程度で、発症すると高熱が2〜3日続き、全身症状は3〜4日ほどで落ち着きます。その後、せきや鼻水などの呼吸器症状が1週間ほど続くことがあります。
インフルエンザは例年11月から翌年3月頃まで流行します。特に12月下旬から2月にかけて感染が広がりやすく、家庭や学校、職場などで集団感染が起こることもあります。
■毎日の生活でできるインフルエンザ対策
インフルエンザの主な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」です。ウイルスの拡散を防ぐためには、日常の中での小さな習慣がとても大切です。
日常生活で心がけたいポイントは次の通りです。
- 外出後は必ず手洗いをする
- 咳やくしゃみの際はマスクやティッシュで口と鼻を覆い「せきエチケット」を守る
- 室内の湿度を50〜60%に保ち、乾燥を防ぐ
- 栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠で免疫力を高める
- 混雑した場所ではマスクを着用し、人との距離を保つ
家庭での感染対策
家庭での感染を防ぐためには、加湿器を使って室内の湿度を50〜60%に保つことが有効です。定期的に換気を行い、ドアノブやスイッチなど手が触れる部分をアルコールで拭くようにしましょう。家族に発熱者が出た場合は、できるだけ別の部屋で休ませ、タオルや食器を共用しないようにすることが大切です。
学校・保育園・職場での感染対策
また、子どもの学校や保育園では、登校・登園前に検温を行い、体調不良時は無理をさせないようにしましょう。職場では、マスク着用やデスク周りの消毒を心がけ、発熱時は早めに休むことが感染拡大防止につながります。
■予防接種で重症化を防ぐ
日常の予防行動に加えて、インフルエンザワクチンの接種は感染や重症化を防ぐ最も効果的な方法のひとつです。接種してから抗体ができるまでに約2週間かかるため、流行が始まる前の10月〜11月中に接種するのが理想的です。効果は約5か月間持続し、冬のシーズンを通して体を守ります。
特に以下の方は早めの接種を検討しましょう。
- 65歳以上の高齢者
- 持病をお持ちの方(糖尿病・心疾患・呼吸器疾患など)
- 妊婦や乳幼児
- 医療・介護・教育現場など、人と接する機会の多い方
特に、子ども・妊婦・基礎疾患を持つ方は重症化リスクが高いため、接種が推奨されています。13歳未満の子どもは2回接種が必要で、1回目の2〜4週間後に2回目を受けることでより高い効果が得られます。
また、妊婦の方も妊娠中にインフルエンザワクチンを接種しても安全性が確認されており、母体と赤ちゃんを守る効果が期待されています。持病を持つ方は、かかりつけ医と相談のうえで早めの接種を検討しましょう。
予防接種を受けることで、自分だけでなく家族や周囲の人を守ることにもつながります。日々の予防と早めの接種で、安心して冬を過ごしましょう。
詳しくは以下のページをご覧ください。
高齢者の接種費用助成について
川崎市では、高齢者の重症化を防ぐため、インフルエンザ予防接種の費用助成を実施しています。感染や発症を完全に防ぐことはできませんが、重症化や合併症を防ぐ効果が科学的に証明されており、毎年の接種が推奨されています。抗体がつくまでに約2週間かかるため、12月中旬までに接種を済ませておくのが理想的です。
■対象者と自己負担額
対象者
以下の条件を満たす方が対象です。
- 接種当日に65歳以上の川崎市民
- 接種当日に60〜64歳で、以下のいずれかに該当する方
- 心臓、腎臓、または呼吸器の機能に重い障害(障害1級程度)がある方
- ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害(障害1級程度)がある方
助成内容
- 自己負担額:2,300円(税込)
- 接種期間:令和7年10月1日〜令和8年1月31日まで
- 実施場所:川崎市内の指定医療機関
- 必要なもの:健康保険証やマイナンバーカードなどの本人確認書類
通常3,000〜4,000円ほどかかる費用が市の助成により抑えられ、多くの高齢者にとって利用しやすい制度です。
※生活保護世帯、市県民税非課税世帯(全員非課税)、中国残留邦人等支援対象者は、証明書類を提示することで自己負担が免除されます。
■助成制度を利用する際の注意点
制度を利用する際には、以下の点に注意してください。
- 市外の医療機関で接種した場合は助成が受けられません。
- 予約制の医療機関が多いため、早めの予約をおすすめします。
- 体調がすぐれない場合は、医師の判断に従い接種を延期することが大切です。
- 副反応として、接種部位の腫れや痛み、発熱などが一時的に出ることがありますが、多くは数日でおさまります。心配な症状がある場合は医療機関へ相談しましょう。
【問い合わせ先】川崎市予防接種コールセンター
中原区で予防接種が受けられる医療機関
中原区内には、多くの医療機関がインフルエンザ予防接種に対応しています。かかりつけのクリニックや内科で受けられることが多く、川崎市の助成対象となっている施設もあります。
ここでは、予防接種が受けられる医療機関の一部をご紹介します。
| 医療機関名 | 公式サイト |
| 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科 | https://morino-kodomo.com/ |
| はりやま耳鼻咽喉科 | https://harimaya-ent.com/ |
| たむらクリニック | https://dr-tamura.net/ |
| ひがし内科クリニック | https://higashi-cl.com/ |
| 田口小児科 | https://www.taguchi-pediatric-clinic.com/ |
| 元住吉クリニック | https://www.motosumiyoshi-clinic.com/ |
今回紹介した以外にも、インフルエンザ予防接種を実施している医療機関は多数あります。希望する時期に接種できるよう、早めにかかりつけ医へ問い合わせて確認しておくと安心です。
接種時の注意点
インフルエンザ予防接種を受ける際には、いくつかの注意点を押さえておくことが大切です。体調や生活習慣によって接種の可否が変わることもあるため、事前の確認を忘れずに行いましょう。
■接種前の準備と確認
- 当日は十分な睡眠をとり、体調を整えておきましょう
- 発熱や体調不良がある場合は、接種を見合わせてください
- 服装は、腕を出しやすい半袖やゆったりした服が便利です
- 必要書類(保険証、接種券など)を忘れずに持参しましょう
接種後に軽い腫れや痛みを感じることがありますが、通常は2〜3日で落ち着きます。腫れがひどい場合や高熱が続く場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
■接種後の過ごし方
接種後は体に抗体を作るための大切な期間です。次の点に気をつけて過ごしましょう。
- 接種当日は入浴しても問題ありませんが、注射部位を強くこすらない
- 激しい運動や大量の飲酒は控える
- 体調の変化に注意し、異常を感じたら早めに受診する
- 体を冷やさず、温かくして過ごす
ワクチンの効果を最大限に高めるためには、接種後の自己管理も重要です。
まとめ
この記事では、インフルエンザを防ぐための日常の対策や、接種時の注意点、中原区で予防接種を受けられる主なクリニックをご紹介しました。インフルエンザは、誰でも感染する可能性がある身近な病気ですが、手洗いやマスク、十分な休養といった日常の習慣で感染を防ぐことができます。
また、流行が本格化する前にワクチンを接種することで、重症化を防ぎ、家族や周囲への感染拡大を抑えることもできます。寒さが深まる季節に向けて、早めの準備と予防を心がけ、インフルエンザの季節を元気に乗り切りましょう。
