地域との強固なつながりを展開する100年企業「ジェクト㈱」

地域との強固なつながりを展開する100年企業「ジェクト㈱」

もともと宮大工から始まった建築業で、今年創業104年になるジェクト株式会社。地域密着型企業として、「地域に必要とされる企業であり続ける」という理念のもと、常にどうしたらより地域と寄り添えるかを考え、様々なイベントを開催し、学童クラブも運営しているとか。同社経営企画部の米倉万智さんにお話を伺いました。


商圏の約9割が本社の周り半径5㎞という地域密着型建築・不動産会社

―地域とのつながりをとても積極的にされていますね

米倉:もともと宮大工の建築業から始まり、不動産業など様々な事業に手を広げ、今年で創業104年になりましたが、商圏のほぼ9割が、中原区にある本社の周囲半径5キロ圏内なので、地域の方々のご要望に応える形で事業を広げていったと言っても過言ではありません。

 

ですから、地域密着型の企業として、より地域に寄り添えるには何ができるだろうといったところで、お客様の声を聞いて地域とのつながりをより強めてきたという背景があります。建築・不動産業とは関係ないのではと思われる事業もあるとは思いますが、基本的には地域の方に喜んでいただけるものをと考えてつくっています。

 

私たち社員自身も「地域に必要とされる企業であり続ける」という弊社の理念が念頭にあるので、どうすれば地域の方々のニーズに応えていけるかということを常に考えています。

―地域との様々な交流イベントも開催されていますね

米倉:できるだけ顔の見える関係を築きたいので、本業とは別のところで弊社を知ってもらえる、また、地域の皆様のコミュニケーションの場になるのがイベントだと考えています。以前はバザーを開催して、不要になったものをいただいて、その収益をNPO団体などに寄付をしていました。

 

その発展形として、親子で楽しめるものはないかということで、「コンクリートまつり」というイベントを開催しています。弊社の本業を生かせるようなゲームやセメント手形だったり、あるいは木製のスツールを制作したり、建築現場で使われる一般の方が触れることが出来ないような工事用車両に乗ってみたりすることができます。

 

さらにジェクトパークと言って、弊社の事業内容を知っていただくコーナーも設けています。また、今年は、学生団体「ニューコロンブス」さんとのコラボでワークショップを開催して、マイクロプラスチックを使ったエシカル・キーホルダーを作り、環境問題について考えてもらう試みもしました。

地元の親子連れが集う「コンクリートまつり」

子どもたちのために本業を活かした様々なイベントを開催

春はコンクリ―トまつり、夏には「親子夏休み工作教室」も開催しています。現場で使用する木材やガラス、タイルの端材を使って、タイルアートや筆立てを作るものです。作っていただいたものはすべて持ち帰っていただきますが、その作品を夏休みの工作として、学校に提出するお子さんも多いですね。

 

1月の正月明けには、「もちもちファーム」といって、お米を炊くところから始める餅つきをメインに日本の昔遊びで竹馬を作って楽しんでいただいたり、木製のワークショップも開催しています。

 

また、弊社の建築現場で出た端材はただ捨てるだけではもったいないので施主様にご了解をいただき、「建築資材おとく市」を開催し、地元のほしい方に向けて、本当に安い金額でタイルなどを販売して、そのおカネをNPOなどに寄付しています。

―子供たちのために建築現場見学会や職場体験もされていますね

米倉:小学校の建築も請け負させていただくことがあるのですが、そういう現場をお子さん方に見ていただくことや、学校の近くに建築現場がある場合は施主様に「お子さんたちに見学させてもらえないか」とお願いして見学させてもらうケースもあります。

 

工事している現場と、完成した後をお子さんたちに見てもらって、どう変わるかを実感してもらったこともありました。これは、とてもお子さんたちが喜んでくれました。

 

職場体験は、意外と学校からの要請が多いのですが、1日だけの場合から、34日など長いケースもあります。弊社の本社に来ていただいて、社内の営業から不動産、事務などの仕事を体験してもらいます。

創業100周年を機に学童クラブ「AYUMI」事業を開始

―中原工房・工房カフェも運営されていますね

米倉:中原工房は2015年に資材置き場を改修してスタートしました。もともとは幅広く色々な方々に家具製作などのDIYを楽しんでもらおうということが目的でした。その際に場所と機材を貸し出していましたが、やはり初心者の方にはなかなか難しいみたいで、今は会員制にして使っていただいています。

 

そこで、DIYができない一般の方でも気軽に来てもらえるだろうということで、中原工房の施設の一部をさらに改修して、カフェにしました。

AYUMIのカリキュラムの1つ「スポーツ」を楽しむ子どもたち

―創業100周年記念事業で学童クラブ「AYUMI」を始められましたね

米倉2020年に100周年を迎えるにあたって、もともと社宅だった自社の建物を建て替えて、賃貸マンション兼シェアハウスと学童クラブにしました。建てる際にお取引のある不動産企業さんから、「ここでシングルマザーのためのシェアハウスができないか」という打診がありました。

 

さらに、「ここだったら、立地もよくて小学校も近くに2つあり、学童クラブも可能ではないかと」とも弊社社長に提案され、地元の子どもたちに必要なことならばやりたいということがきっかけです。

 

「不動産業や建築業などが本業なのになんで学童クラブなの?」という驚きの声も社内外にはありましたが、伝統だけで100年続いているわけではありません。地域のニーズに柔軟に対応してきたからこそ現在があるので、この事業も弊社の理念に沿ったものなのです。

―「AYUMI」の目指していることは何でしょうか

米倉:弊社としては、子どもたちのより良い成長ということがあります。もうひとつは、安心して過ごせる場所を提供して、この地域を好きになってもらいたい。そして最終的には弊社のファンになってもらえたら嬉しいです。

子どもたちが自立して「自ら考え、自ら動く」ということを伝えたい

―どういったプログラムがありますか

米倉:日本文化を知ってもらうということで、書道や絵画などを学ぶプログラムがあります。一方で、英語を学ぶことで、日本との比較ができるので、この両方を大事にしています。またダンスを教えたり体操を教えたり、外部講師を招いてワークショップも開催しています。さらに、中原工房での木製のDIYもしています。AYUMIは楽しいようで開業からの5年生もいます。

―スタッフの心構えで「モチベイティブペアレンティング」がありますね

米倉:子どもの言葉を否定せず、自分の頭と心で答えをだすのを見守る。自分で出した答えに責任をもって精一杯やってみることを支援する。うまくいかないとき、励まし、勇気づけて、より良い方法を一緒に考える。

 

さらに、嘘や脅しのない、開かれた晴れやかな関係を形成する。大人は人生の先輩として、目的・目標に向かって歩む姿を子どもに見せる。いかなる関係も相互を尊重しあい、お互いの人生が輝くことをたすけあう、というものですね。

 

これらの心構えが実際にどう子どもたちに影響するかはそれぞれだとは思いますが、最近のお子さんたちは周りを配慮して動く子が多いので、自立して「自ら考え、自ら行動する」大切さを伝えられたらと思います。

―今後、地域のつながりで展開していきたいことはありますか

米倉:まずは長く続けることですね。途中でなくなってしまうことは、お客様を困らせてしまうことになりかねません。さらに発展というところでは、中原工房や工房カフェも地域の方にできるだけご利用いただきたいので、外部の方々とコラボしてよりよく活用できないかなと思っていて、お声がけを広めていっています。

―読者へのメッセージをお願いします

米倉:弊社には地域をよりよくしていこうとか、地域のためになればいいなと思っている社員が多く、お客様の想いを形にしたり、お悩みを解決する技術や知識を持つプロ集団もいるので、何か困ったことがあった時、必要な時にぜひ弊社を思い出していただければ幸いです。

 

地域がよりよくなるために、こうしたらいいのではというご意見を大切にしたいと思っております。建築・不動産の本業をはじめ、地域に必要なものをご提供できればと思っておりますので、ぜひお気兼ねなくご相談ください。

ジェクト株式会社ホームページ:https://www.jecto.co.jp/

この記事のライター

現代社会は、地縁、血縁、社縁(職場の縁)が希薄になり、個々人がバラバラに分断され、多くの人が孤立するようになりました。そんな社会を修復するにはどうすればいいか。その一つの解が、新たなコミュニティを創造することだと思っています。

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