(左から)保育部長の杉田俊輔さん、酒井春代さん、広報IR課長の勝義沼澤さん
■子供たちの笑顔のために何ができるかを常に考える
ー 保育事業を始められたきっかけを教えてくれますか?
沼澤: 弊社グループはパチンコ店でコーヒーなどを運ぶワゴンサービス事業で創業しました。当時、従業員から働いている間、子供の世話をして欲しいというニーズが多く、安心して働けるように託児所を始めて、2000年の認可保育所の設置主体制限が撤廃されたことをきっかけに保育事業へ進出して事業を拡大してきて今に至ります。
ー 保育園を運営されるにあたり大切にしている理念や考えは?
杉田: 大きく3つあります。
経営理念の「子育て支援を通じて笑顔溢れる社会づくりに貢献します」、コーポレートメッセージの「すべてはこどもたちの笑顔のために」、保育理念では「未来(あす)を生きる力を培う」を掲げています。
弊社は保育園以外にも学童や児童館も運営していますが、子供だけでなく働くお父さんやお母さんなど全ての方を含め、笑顔のためにどういうことができるのか?ということを常に考えて仕事を進めています。
未就学児(0~6歳児)の間に人間の85~90%くらいの人格が形成されると言われていますので、様々な経験や体験を通じて達成感を味わいながら、非認知能力(やる気、忍耐力、協調性、自己肯定感)を高めていき、未来ある子供たちが元気で健やかに成長するための援助をしながら、その成長を楽しみながら、喜び合いながら日々保育をしています。
アスク今井南保育園
■保育園の5つの運営理念とは
酒井: 保育園の運営理念は次の5つを大切にしています。
1.安全&安心を第一に保育・育成を実施します
2.いつまでも思い出に残る施設となるよう日々の保育を大切にします
3.職員が楽しく働けることでこどもたちを笑顔にします
4.地域とつながり支え合う施設として社会に貢献します
5.常に時代が求める子育て支援を実践し続けます
4と5の理念の話になりますが、私自身、2024年3月まで計14年ほど園長をさせていただいておりましたが、1年目の時には、習い事事業といったものはない時代でした。保育園に通っている子供たちはお迎えが18~19時くらいになるので、そこから習い事にはいけず、結局、土曜・日曜日が習い事で潰れてしまうんです。
ただ、ここ3~4年ぐらいでしょうか。需要が高い習い事を保育園でもできる時代になってきましたので、地域のスポーツ施設と提携してスイミング教室をしたり、学習教室と提携したりといった付加的なサービスを提供しています。
また、核家族が増えているため、園によってですが、デイサービスさんと提携して子供たちと地域のお年寄りの方々との交流を深めたりするなど、地域に密着した保育園となるように力をいれています。
■様々な施策で保育の質を高める
ー 保育の質(子供たちが安全・安心して豊かに過ごせる環境)を高めるために実施している施策はありますか?
杉田: 弊社では等級ごとの研修や中間管理職研修、園長研修、フォローアップ研修など従業員への様々な研修を通じて全体の質を高めていく形をとっています。そして研修とは別に「保育の質向上推進委員会」と呼ばれるものがあります。
この委員会では20人くらいでチームを組み分科会を持ち、人権面・環境面・人材育成面から保育の質を高めるにはどうしていくかを考え、各チームで施策を作り、各現場へ連携していくようにしています。
また各園ごとにそれぞれ課題を洗い出しその解決に取り組んでいます。私が園長だった頃には、公園がたくさんある地域だったのですが、どこどこの公園はこのクラスだと遊べるなとか、2歳児の部屋で合同保育する時にはどうしたら使いやすくなるかなど、課題に対して毎月みんなで議論し共有していました。やはり知識はその人が持っているだけだと全く発展しないと思っています。
アスク新丸子保育園
■徹底した安全対策に取り組む
酒井: 保育園には、保育士、栄養士、看護師がいます。看護師さんが勉強会をしてくれるのですが、例えばアルコールの消毒の手順はポンプを一番下まで押して、ポタポタになったアルコールでまず指先から始め、反対の手に移して両手全体を消毒します。
多くの人はポタポタになるのを嫌がるので下まで押さないのですが、保育園は下まで押すのが基本です。手にやさしい成分も入っているのでハンドクリームを塗ったのとあまり変わらないんです。そういった衛生面のことを教えてくれます。
栄養士さんは栄養面のスペシャリストですので、子供たちに毎月「食育」としてクッキングを教えてくれます。また、お子様のアレルギー食材に関しても保護者と栄養士が又聞きにならないよう必ず面談をしています。
多職種が1つの場所に集まることによって多様な面から見えるものがありますので、みんなで子供たちのために何ができるのかを日々話し合って保育に取り組んでいます。
ー お子様の安全対策面はどうですか?
酒井: 例えば、公園までのお散歩ルートを決める際には、事前に公園へ下見にいき、どのルートが安全なのか、遊具の危険性など確認してからコースを決めていて、そのコース以外を使わないように徹底しています。
熱中症にならないように日影の多いルートや信号があるルートを使うようにといった形です。保護者の皆様にも把握してもらうため、保育園に散歩ルートを張り出して共有しています。
お昼寝の時には、眠る前にお食事の食べ残しがないかを必ずチェックしてからお昼寝をさせています。0歳の場合は、5分ごとに、1~2歳の場合は10分ごとに呼吸確認しています。また、必ず保育士が一人はついているので、うつぶせ寝をしないように体位が変わったタイミングで仰向けに直したりして、それぞれ必ず記録を取るようにしています。
また、おもちゃに年齢制限がありますが、恐らくご家庭ではそこまで気にせず遊ばせていることがあると思います。弊社では、対象年齢外だったら遊ばせないようにしていますね。
保育園の入り口は解除して閉めたら開かないホテルのようなオートロックを使用するほか、全園にセコムを導入しており、セキュリティを高めています。
やはり保護者の大切なお子様をお預かりするので、安全・環境面は徹底しています。
アスク武蔵小杉保育園
杉田:各園で、CPR(心肺蘇生)訓練、消防・避難訓練、消火器訓練を毎月実施し、不審者訓練は年2回実施しています。子供も交えて行ったりもします。
先月の4月3日の台湾地震で沖縄に津波警報が出た時には、新年度ということもあって新しい保護者とお子様がたくさんいる中で避難したのですが、日々の訓練が為になったというお声をたくさん頂きました。
酒井: 毎朝、お子様を受け入れる時に、お母さんからの引継ぎ内容や帰りに話す内容を記録したり、それとは別に全体にお伝えする時に使っている「伝達表」や子供の成長記録も書いています。
ほとんどの園でスマホのアプリを使うようになったので、保育園に行かないと分からなかった時代とは違い、お迎え途中にアプリを開いて今日こんな事をして遊んだんだとかこんな感染症が出ているんだなど、来なくても保育園のことが分かるような形になっています。
一方で、杉田が「雑談は最大のコミュニケーション」とよく発信していて、私もいつもその通りだなと思っています。本当によくお喋りする園なんですよ(笑)
日々先生たち同士が活発にコミュニケーションをすることで子供たちが毎日来たいと思うことと同じように先生たちも明日何しようと前向きになりますし、何といっても子供たちの成長が我々保育士の一番のモチベーションに繋がっていると思っています。
杉田: 当社は、北海道から石垣市まで全国209園(※2024年4月26日現在)ありますので、地域や環境の多様性の情報交換、怪我などのアクシデント事案の共有など数多くの情報を吸い上げ、学びながら、その学びを伝えながら、次の保育に活かしていけることが当社の強みだと思います。
~インタビューを終えて~
現場では見えない努力をしていて日々真摯に仕事を進めているのことと保育士さんの熱意が伝わってきて大変勉強になりました。
武蔵小杉駅から徒歩10分圏内にある「アスク武蔵小杉保育園」、「アスク新丸子保育園」、「アスク今井南保育園」それぞれの違いを簡単に教えて頂きました。
◆アスク武蔵小杉保育園
受け入れ年齢:1歳から
保育プログラム:音楽・英語・体操・学研教室・チアダンス・スイミング・ドレミっこ
URL:https://www.nihonhoiku.co.jp/blog/musashikosugi/
◆アスク新丸子保育園
受け入れ年齢:5ヵ月から
保育プログラム:音楽・英語・体操・学研教室
URL:https://www.nihonhoiku.co.jp/blog/shinmaruko/
◆アスク今井南保育園
受け入れ年齢:5ヵ月から
保育プログラム:音楽・バイリンガル教室・英語・体操・スイミング・アスリート教室
URL:https://www.nihonhoiku.co.jp/blog/imaiminami/