大規模災害発生時に対応する川崎市の医療機関はどこ?

大規模災害発生時に対応する川崎市の医療機関はどこ?

大規模な災害が発生した際、迅速かつ適切に医療機関を利用することは、生命を守る上で非常に重要です。川崎市にお住まいの皆様が、災害時に慌てずに行動できるよう、ここでは災害発生時の医療提供体制と病院の選び方について、わかりやすくご案内します。


災害時における病院の選び方

重症度に応じて病院を選択

災害時にケガをしたり、病気になった際には、状況に応じて適切な医療機関への受診が求められます。川崎市では、緊急性と治療優先度からレベル1〜4にレベル分けをしています。

各レベルに該当する病院を選んでいただくことで、病院での混乱が回避され、より多くの命が助かる可能性が高まります。

重症の場合の対応

生命に危険があるような大ケガの場合、救命救急センターを有する災害拠点病院(レベル1の病院)への受診が推奨されます。

一方で、大ケガ以外で生命に危険がある状態の場合は、災害協力病院(レベル2の病院)への受診が適切です。

  • レベル1の病院:救命救急センターを有する災害拠点病院
    ※生命に危険があるような大ケガの場合
  • レベル2の病院:レベル1以外の災害拠点病院及び災害協力病院
    ※大ケガ以外で生命に危険がある状態の場合

軽症・中等症の場合の対応

生命に危険はないが歩けない状態や、家庭での処置が困難なケガをした場合は、レベル3の救急告示病院への受診が推奨されます。

歩けるが家庭での処置は困難など軽微なケガの場合には、レベル4の病院や診療所、クリニックが対応します。

  • レベル3の病院:レベル1・2を除く全ての救急告示病院
    ※歩けないが生命に危険はない状態や、家庭での処置が困難なケガをした場合
  • レベル4の病院:診療所、クリニックを含むレベル1〜3を除く全ての病院
    ※歩けるが家庭での処置は困難なケガの場合

中原区のレベル別受診先

中原区内にあるレベル別の受診先は以下です。あくまでも所在を示すものですので、区を越える受診を妨げるものでございません。

災害時の医療提供体制について(PDF)

災害発生時の川崎市医療機関利用ガイド

市民が知っておくべきこと

平時からの準備が重要

災害が起こったとき、一刻を争う状況で適切な医療支援を受けるためには、事前の準備が決定的に重要になります。

日常生活の中で、災害時の医療機関の役割を理解し、自宅や職場の近くにある医療機関の種類や受けられる医療サービスの内容を知ることは、安全と安心を確保する上で欠かせません。

さらに、医療機関の役割は、災害の種類や規模、被害状況によって変化する可能性があります。そのため、平時からの情報収集は、災害発生時に慌てず、迅速に適切な行動を取るための基盤となります。

  • 事前の情報収集と確認:
    地域の医療機関のリストアップと、それらが災害時にどのようなサポートが可能かを把握しておく。
  • 非常時用の連絡網の構築:
    家族や近隣住民との緊急連絡手段を確立し、情報共有の手順を作成する。
  • 健康情報の準備:
    自身や家族の健康に関する重要情報(アレルギー、持病、常用薬など)をまとめ、緊急時にすぐに提供できるようにしておく。

病院の役割の変化に対応する

災害発生時、病院やクリニックなどの医療機関は、その状況に応じて様々な役割を果たすことになります。

緊急性の高い治療が必要な患者の受け入れ、軽症者の応急処置、さらには被災した地域社会の健康管理など、病院によって担うべき任務は異なります。

このような役割の変化に柔軟に対応するためには、市民一人ひとりが最新の情報を常に把握し、必要に応じて行動できるよう準備しておくことが必須です。

  • 情報収集の方法の確立:
    市のホームページはもちろんのこと、地域の防災アプリやSNSを通じて、医療機関の最新の状況や指示を確認する手段を持っておく。
  • 災害時の行動計画の策定:
    自身や家族が受ける可能性のある医療サービスの種類に応じて、どの医療機関に連絡を取り、どのようにしてそこへ移動するかの計画を立てておく。

災害時の医療体制に関する問い合わせ先

【健康福祉局保健医療政策部災害医療対策担当】

  • 住所:〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
  • 電話:044-200-0562
  • FAX:044-200-3934
  • メールアドレス:40sairyo@city.kawasaki.jp

この記事では、川崎市における災害時の医療提供体制と、ケガや病気の程度に応じた適切な病院の選び方についてご紹介しました。市民の皆様が平時から正しい知識を持ち、万が一の災害時に備えることができれば、一人でも多くの命が救われます。

平時からの準備と情報の収集が、災害時の安全を大きく左右することを忘れずに、今日から行動を始めましょう。

【関連情報】

この記事のライター

関連する投稿


シニアの経験やスキルを活かす「川崎市シルバー人材センター」

シニアの経験やスキルを活かす「川崎市シルバー人材センター」

川崎市シルバー人材センターは、60歳以上のシニアが経験やスキルを活かして社会に貢献できるよう支援を行っている公益法人です。健康で意欲的なシニアが地域密着の仕事を通じて活躍しています。この記事では、センターの目的や特色、会員としての働き方、仕事の依頼方法について詳しくご紹介します。


夜間・休日に子どもが体調不良などになった際の相談先と医療機関は?

夜間・休日に子どもが体調不良などになった際の相談先と医療機関は?

お子さまが急な体調不良やケガに見舞われたとき、適切な対処法を知っておくことは重要です。この記事では、深夜や休日に急な病気やけがをした場合の中原区の相談先と医療機関についてまとめました。


川崎市議会議員・松原成文氏に訊く行政の「役割」

川崎市議会議員・松原成文氏に訊く行政の「役割」

行政と市民のパートナーシップを形成する町内会や自治会は高齢化が進み、若い方々が入ってこないという課題を抱えています。一方で、この10年で行政の市民サービスは向上し、民間の力を活用した循環型社会の実現を目指した取り組みも行われ、能登半島地震では、改めて防災・減災対策の重要性が浮き彫りになりました。


川崎市議会議員・市古次郎氏に訊く「義務教育」の問題点

川崎市議会議員・市古次郎氏に訊く「義務教育」の問題点

憲法第26条で義務教育は無償であることが定められていますが、教材費、給食費などが親の負担にされています。<br> <br> 保護者負担の一番大きな支出が給食費で、現在、491自治体が無償化しているのも関わらず、川崎市では、いまだに無償化されていません。<br> <br> 一方で、教員の人手不足も深刻化しています。その原因に過重労働に加えて、校長などによるパワハラ問題があるようです。義務教育の現場では、様々な問題が山積しています。


川崎市議会議員・井土清貴氏が目指す「産み育てたい街」

川崎市議会議員・井土清貴氏が目指す「産み育てたい街」

妊娠・出産における大きな経済的負担を減らしていかないと、第2子、第3子を出産することにはためらいが生じます。そうなれば、少子化をくいとめることなど到底できません。<br> <br> 制度として産後ケア事業はありますが、川崎市の利用料金は他市に比べて割高。また、新潟市などでは妊産婦医療費助成制度を導入していますが、川崎市では、ようやく議会で議題の俎上に乗ったばかりです。<br> <br> 妊娠・出産にかかる費用を軽減し、子どもを安心して産み育てられる街を目指します。


最新の投稿


タワーマンション内でコミュニティを築き上げた笹田恵子さん

タワーマンション内でコミュニティを築き上げた笹田恵子さん

かわさきFMのパーソナリティとして、また、イベントのMCとして活躍する笹田恵子さん。学生時代は深夜のバイトをして家計を助けていた一面もあります。一方で、武蔵小杉のタワーマンションの住人として、マンション内のコミュニティづくりにも積極的に関わってきたとか。どのようなコミュニティを築き上げたのか、お話を伺いました。


「子育て支援員研修」で子育て支援の担い手として活躍しよう!

「子育て支援員研修」で子育て支援の担い手として活躍しよう!

神奈川県では、子育て支援に関心のある人が必要な知識と技能を身につけるための子育て支援員研修を実施しています。研修は地域保育、地域子育て支援、放課後児童の3つの研修コースがあり、受講後は「子育て支援員」として認定されます。この記事では、研修の内容や申込み方法について紹介します。


川崎市青少年フェスティバル実行委員募集!イベントの企画・運営に挑戦しよう

川崎市青少年フェスティバル実行委員募集!イベントの企画・運営に挑戦しよう

川崎市青少年フェスティバルは、青少年自身が企画・運営に主体的に関わることで、社会参加の促進や達成感、自己有用感を得られる機会を提供することを目的としています。この記事では、フェスティバルの概要と令和6年度の実行委員募集についてご紹介します。


障がい者の就労を支援するコミュニティカフェ「メサ・グランデ」

障がい者の就労を支援するコミュニティカフェ「メサ・グランデ」

武蔵新城駅から徒歩2分、「メサ・グランデ」という地域の方々が利用するコミュニティカフェがあります。木目を基調とした店内は、天井が高く落ちつきのある空間です。一方で、このカフェは就労継続支援B型事業所として、障がい者の就労を支援する場でもあります。どんなことをしているのか、施設長の前田瑞穂さんにお話を伺いました。


『未来(あす)を生きる力を培う』を保育理念に掲げる「日本保育サービス」

『未来(あす)を生きる力を培う』を保育理念に掲げる「日本保育サービス」

「アスク武蔵小杉保育園」や「アスク新丸子保育園」など「アスク」ブランドを中心とした保育園を運営している「株式会社日本保育サービス」の保育部長の杉田俊輔さんと酒井春代さんに経営理念や保育理念、保育の質を高めるための施策などを伺いました。


区民ライター募集